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2011年 04月 21日
銀座湯
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 銀座の北端で銭湯を見つけた。珍しいものだと思って写真を撮っていたら、
中老の男性が出てきた。
 「銀座のど真ん中で銭湯なんてすごいだろ」。「いやぁ、ほんまですわ」。

以下、2系統の展開
→客について
 この男性、いったいどんな人なのだろうか。
生粋の地元っ子ならば、いったいどんな家に住んでいるのだろうか。例えば、
いまも古くからの長屋暮らしを続けている人なのだろうか。あるいは、ビルの
オーナーとして最上階にでも住んでいて、時々江戸の粋を楽しみにして
いたりするのだろうか。それとも、近くの会社に通っていて、時々こうして
夕方に風呂に入りに来ることを楽しみにしているのだろうか。想像が尽きない。
興味深い銭湯である。
 きっと好事家が詳細なレポートをウェブで公開していることだろうが、
それを見ちまったらしめぇよ、と。次回、タオル持参での課題としよう。

→江戸っ子の大阪嫌いの話
 そこで会話が途切れてしまった。やや訝かしげな表情が見て取れる。大阪嫌いの
江戸っ子なのだろうか。
 非東京圏出身で、東京暮らしが長い伯母が、ひどい大阪嫌いである。
長い東京暮らしを自負する彼女に、東京圏出身者よりも「東京人的な気質」を
垣間見ることができる。しかも、思ったことをすぐ口にしてしまうので、
大変わかりやすいのでもあるが。
 私が初めて札幌から大阪に移った時に聞いた、大阪のイメージの弁は
よく記憶に残っている。曰く、早口でまくし立てる、しょうもないことばかりいう、
えげつないというイメージなのだそうである。それはきっと、テレビで
つくられてきたイメージがそのまま植え付けられてしまったのではないかと
思うのだが、そう思い込んでしまっているから困りものである。
 最近では、大阪人自身もそのイメージを語っているという指摘もあるので、
一概には言えない。ともあれ、実際に大阪の懐に入り込んでしまえば
そんなことはない。たとえば、生粋の江戸っ子で大阪嫌いだった谷崎潤一郎は、
関東大震災からの避難で滞在した阪神地方で、大阪島之内の人々と接して、
はまってしまった。ただし、小説の中では島之内の商売人のえげつなさを
語らせているので、それはペンディングしておこう(細雪)。ともあれ、私が
知っている昔のお年寄りの大阪弁、とくに北摂(大阪府の淀川以北)の言葉は、
ゆったりとしていて柔らかいのだ。
 そうそう、食わず嫌いも江戸っ子の代名詞であったか。いつかこの銭湯に
入りに来たときには、懐柔策が必要である。

2011年4月上旬 東京都中央区
minolta XD, MINOLTA MD 28mm F2.8
KONICA MINOLTA CENTURIA SUPER 400, F4 AE

by photo-nupuri | 2011-04-21 07:16 |


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